教会にステンドグラスが多いのはなぜ?歴史や込められた思いを解説
結婚式場で思い浮かべられることも多いステンドグラス。繊細なものから大胆な図柄、大きさや色合いもさまざまです。
どのステンドグラスもチャペルや大聖堂を大きく印象付けますが、実はその役割は式場の装飾だけではありません。
描かれる絵はもちろん、差し込む光にまで結婚式にふさわしい意味が込められていますよ。
そこでこの記事では教会の顔ともいえる存在のステンドグラスに注目し、その歴史や意味を解説します。
ステンドグラスが繋ぎ合わせる色とりどりのガラスが持つ印象や、挙式・披露宴に色を取り入れるアイデアも紹介します。
二人の思いを表現した素敵な結婚式を作れるよう、この記事を役立ててくださいね。
ステンドグラスとは?意味や歴史を解説
ステンドグラスはキリスト教と共に登場し広がったであろうと考えられています。
起源は明確にはわかっていませんが、5世紀ごろのフランスの文献にステンドグラスが登場し、同じ時期に建立されたイスタンブールの寺院にも痕跡があるため、この時代には作られていたことが推察できます。
板ガラスが作られるようになったのが4世紀ごろです。ガラスができてすぐにステンドグラスの歴史も始まったのですね。
教会や寺院のような建物に多く使われており、宗教的な場所とのつながりが強いことがわかります。
聖書の教えを表現するものからデザイン性の追求まで
完全な形で残っているなかで最古とされているステンドグラスはロマネスク時代(10~12世紀)の作品です。
代表的なものにフランスのサンピエール・エ・サンポール教会から出土した「キリストの頭部」や、ドイツのアウグスブルグで発見された「5人の預言者」があります。
これらのステンドグラスは「聖書の教え」を絵にしたもので、字が読めない人でも理解できるように物語を描いたと考えられています。
教会のステンドグラスはただの飾りではないのですね!
14世紀に入りゴシック建築が台頭してくると、キリスト教と関りの深い宗教画に限らず植物や幾何学模様など、幅広いデザインが描かれるようになりました。
さらに時代が進み宗教革命を迎えるとステンドグラスも衰退しましたが、18世紀ごろにウィリアムモリス・19世紀ごろにはティファニーが家庭内の装飾品として新しい命を吹き込みます。
特にティファニーが編み出した新しい技法(ガラス片に銅テープを巻きハンダで固定する)は立体的なステンドグラス作品を可能とし、繊細なランプのような画期的な作品を多数生み出しました。
日本へは19世紀末ごろに到来
日本にステンドグラスがやってきたのは19世紀末の頃です。
長崎の大浦天主堂にフランスから寄贈された「十字架のキリスト」が最初だといわれていますが、オランダの美術家が横浜で建物を建てる際に装飾として一緒に持ち込んだという説もあります。
いずれにしても明治時代以降は海外から持ち込むばかりではなく、日本人芸術家によって日本らしい作品がたくさん生み出されました。
ステンドグラスが教会・結婚式にふさわしい理由
ステンドグラスが教会に多く使われ、結婚式にふさわしいと考えられるのは、次のような理由が考えられます。
チャペルでの結婚式にステンドグラスが欠かせない宗教的な理由、繊細な技法や美しい彩りが持つ魅力に注目してみましょう。
キリスト教の教えが描かれているから
ステンドグラスには聖書の物語が描かれているため、キリスト教式での結婚式にはピッタリです。
キリストや天使が描かれたものは、特に祈りや祝福の意味合いが強いといえるでしょう。
神様に見守られながら誓いを立てると幸せが約束されそうですね。
式場探しの際は、ステンドグラスの柄に注目するのもいいかもしれません。
ステンドグラスの光は神様だと考えられるから
キリスト教では「神は光である」と教えられており、ステンドグラスから差し込む光はまさに神そのものです。
降り注ぐ光には神様が宿っていて、教会は愛を誓うにぴったりのシチュエーションといえるでしょう。
目に見えない神様がすぐそこにいるように感じられ、あたたかく厳かな空気に包まれること間違いなしですよ。
ガラスを繋ぎ合わせる技法は固い絆の象徴
ステンドグラスは色とりどりのガラス片を金属で繋ぎ合わせて作られます。
繊細なものを固く繋ぐこの技法が、揺らぐことのない強い絆の象徴でもあるのです。
異なる形・別の色のガラスが繋がって美しい柄を描き出すように、それまで違う環境で育ち・別の人格を持つ二人が家族になって二人にしか作り出せない家庭を築きます。
二人が築く新しい家庭がカラフルに彩られ美しく輝くものになるよう、ステンドグラスに思いを馳せてはどうでしょうか。
色を繋いで作るステンドグラスの三連時計も結婚式にぴったりですよ。
色とりどりのガラスが過去・現在・未来を映し出す
結婚式では新郎新婦の過去・現在・未来を象徴するものがしばしば登場します。
たとえばチャペル式で歩くバージンロードや、神前式の三々九度で使われる盃も、「過去・現在・未来」を表しているんですよ。
色に新郎新婦が歩んできた時間を重ねることも多く、ステンドグラスもその一つです。
ガラスの色や差し込む光の風合いには、新郎新婦や家族が積み上げてきたいろんな時代を感じられることでしょう。
ステンドグラスの色に思いをのせる | 色が持つ意味や印象
ステンドグラスにはさまざまな色ガラスが使われていますが、色は人の気持ちに大きな影響を与えたり意味や願いが込められていたりと、とても大きな力を持っています。
スピリチュアルな意味も含む風水や、色彩心理学のような科学的根拠に基づくものまで、色は多くの文やで重視され研究されていますよ。
主な色のイメージや意味を表にまとめるので、ぜひ参考にしてください。
赤 | ・努力 ・強さ ・元気が出る | ・情熱オレンジ | ・活気がある ・明るい ・自信がある | ・陽気
ピンク | ・幸福感 ・柔らかい ・可愛い | ・愛情紫 | ・優雅さ ・高貴 ・神秘的 | ・落ち着き
黄 | ・明るい ・ユーモア ・好奇心旺盛 | ・人気者緑 | ・健康 ・調和がとれた ・平和 | ・リラックス
青 | ・冷静 ・真面目 ・信頼 | ・誠実水色 | ・清潔 ・癒し ・自然体 | ・冷静
黄緑 | ・素直 ・柔軟 ・安らぎ | ・若々しい茶 | ・安らぎ ・上品 ・落ち着いた | ・安心
ベージュ | ・落ち着き ・ナチュラル ・穏やか | ・控えめグレー | ・フォーマル ・意志が強い ・高級感 | ・魔除け
金 | ・自信がある ・感謝 ・目標を達成 | ・プライド銀 | ・上品 ・人に恵まれる ・知的 | ・スタイリッシュ
白 | ・清潔 ・清廉潔白 ・リセット | ・純粋黒 | ・フォーマル ・意志が強い ・高級感 | ・魔除け
好きな色、目指している披露宴の雰囲気、二人の人柄、作りたい家庭のイメージなどに合う色を探してみてください。
テーマカラーとしてペーパーアイテムや会場装飾の色に取り入れると、二人にとって思い出深い披露宴になるのはもちろん、ゲストの印象にも残りそうですね。
結婚式にステンドグラスや色を取り入れる方法
神の前で永遠の愛を誓うシチュエーションにぴったりのステンドグラスが、チャペルの窓装飾として存在するだけなのは少しもったいないですね。
せっかくなら二人の結婚式を彩る大切なツールとして、ステンドグラス…そして色を挙式披露宴の中にもっと取り入れてはいかがでしょうか。
二人らしい素敵な結婚式にしてくださいね。
ステンドグラスの色にこだわってチャペルを選ぶ
ステンドグラスにはさまざまな色や柄があり、教会によって特徴があります。
ただ「ステンドグラスが綺麗」ではなく、こだわりを持って式場選びをしてみましょう。
- テーマカラーに合わせて選ぶ
- 描かれている柄にこだわる
青が特徴的、全体的にピンク色…など、ステンドグラスによって印象が異なりますよ。ゲストに癒されてほしい、あたたかく幸せな気持ちになってほしいなど、二人のイメージを膨らませてくださいね。
会場装飾や両親記念品にステンドグラスを取り入れる
披露宴会場の窓にステンドグラスをはめ込むのは難しいかもしれませんが、装飾で取り入れることができます。
たとえばウェルカムボードをステンドグラスで作ったり、ゲストの卓にオブジェを飾ったりすれば、とても華やかでほかにはない装飾になるでしょう。
また、引出物や両親記念品をステンドグラスにすることもできます。
両親記念品にはステンドグラス三連時計がおすすめです!贈る際の演出例も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ステンドグラスなら、結婚から何年たっても色あせずに美しく輝くはずですよ。
披露宴で光の演出を取り入れる
披露宴での演出を光を使うものにすれば、二人の思いを込めた色を結婚式に取り入れられます。
光の演出検討していました!水を注いだり、色が変わったりするんですよね!
そうですね!色にこだわりやすいのは次のような演出です。
- クリスタルファウンテン
- ルミファンタジア
- 炎の色が選べるキャンドルサービス
(コロナスパイラルなど)
色が統一された会場内も、カラフルに彩られた会場内も、どちらもきっと素敵です。
お二人でイメージを膨らませてみてくださいね。
まとめ:ステンドグラスにこだわって二人のイメージに合う結婚式を
教会にはなぜ必ずステンドグラスがあるのか、その意味や歴史と共に、結婚式で取り入れる方法を解説してきました。
- 元は聖書の教えを物語として描いたもの
- ステンドグラスの光には神が宿っている
- 金属でガラスを繋ぐ技法は新郎新婦の強い絆を象徴
- 色にはそれぞれ異なる印象や意味がある
- ステンドグラスの色にこだわって式場を選んでもいい
- 装飾や記念品にするのもおすすめ
教会を飾るステンドグラスですが、その魅力は美しさだけではありません。
教えや願いを込めて描かれる絵柄、強い絆を思わせる技法、神を宿して新郎新婦やゲストに降り注ぐ柔らかな光…そしてちりばめられた色とりどりのカラー…。
柄や色合いに込められた意味や祈りに思いを馳せると、ステンドグラスがより素敵に映りますね。
込められた意味を参考にしながら、自分たちがどんな結婚式にしたいのか、家族やゲストにどんな印象を持ってほしいのかなどを想像してみましょう。
きっと世界に一つしかない二人らしい結婚式を挙げてくださいね。
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